欧米人が感じる日本のサービスについて~①

新型コロナウィルス感染拡大前には、多くの外国人が日本を訪れていました。京都や浅草では外国人観光客のほうが多いくらいでした。早く感染拡大が収束して、また多くの外国からのお客様に来ていただきたいです。

さて、私はコロナ禍以前には、インバウンド対応研修のご依頼を多くいただいていました。商業施設などで外国人のお客様が来られた際の対応に困っている、という商業施設のスタッフの方等に、対応時の心構えや簡単な接客英語を練習していただくといった内容です。

イギリス人のビジネスパートナーと二人で行っていたのですが、今回はそのパートナーに日本のサービスに関する感想をインタビューしたものを紹介します。長くなるので2回に分けて共有します。接客業の方はインバウンド復活後の参考にしていただければ幸いです。

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以下は日本に10年以上在住している英国人女性から、日本のサービスについて感じることをヒアリングした結果です。やりとりをインタビュー形式で要約しています。

(A:私 B:英国人女性)

A:国籍によって変わってくるとは思いますが、一般的に「英語を話す欧米人」という大枠で考えた場合に、日本のサービスについてまず感じることを話してください。

B:私は英国人ですが、アメリカやオーストラリアにも住んでいました。ですから英国人だけの視点ではなく英語を話す欧米人という全般的なお話をします。

まず私たちは小売店、例えば洋服などを買いに行ったときに、店員につきまとわれるのがものすごく不快です。来店して客が来たということの認識は必要ですが(「いらっしゃいませ」という第一声+アイコンタクト+笑顔)、その後はこちらが声をかけるまで放っておいてほしいのです。最初ずっと後ろをついてこられたときに、自分が万引きでもするのではないかと、警戒されているのかと勘違いしました。私たちは何か聞きたければ自分たちから声をかけます。ゆっくり見たいのにつきまとわれると、居心地が悪くなり、店を出ることもあります。ついてまわってほしいのは、例えばアートギャラリーでの絵画の説明など、専門的な知識が必要となる場合です。それ以外はこちらから声をかけるまで、とにかくかまわないでほしいと思っています。

A:なるほど。それに関しては私も同感ですが、日本人でも嫌だと思っている人は多いかもしれません。では飲食店でのサービスについて感じることを教えてください。

B:まず、第一声の挨拶とアイコンタクト、笑顔が必須なのは同じです。挨拶で気をつけないといけないことは、それは小売店でもそうですが、必ずまずは「いらっしゃいませ」と日本語でいうこと。こちらが何も話さないのにいきなり白人だから「ハロー」とか「ハーイ」いうのはNGです。白人=英語を話す、は成立しません。日本人が外国に行って「ニーハオ」といわれるのと同じです。私たち欧米人はアジア人を見ると多くは中国人を連想します。それは日本人にとっては気分が良くないと思います。まずは「いらっしゃいませ」と言ってみて、片言でも日本語を話したら日本語で会話する、英語しか話さないとわかった時にはじめて、もし話せるのなら、英語にスイッチをしてください。

あとは初期対応で、人数の確認、喫煙有無から始まり席に案内され、注文までの間で大事なのは、やはり笑顔やアイコンタクトです。それがあると私たちは歓迎されていると感じます。日本人はアイコンタクトと笑顔が圧倒的に少ないと思います。

言葉はあまり問題ではありません。チキン、ビーフなどで通じます。ピッグといわれたら、あぁ、ポークのことね(笑)と私たちはすぐにわかります。あとはジェスチャーや写真でもわかりますし、相手が一生懸命伝えようとしている姿勢で歓迎されていると感じます。 一旦注文した品が揃えば、あとは「こちらで大丈夫でしょうか?すべてお揃いですか?」などと声をかけてください。その後追加の注文をしたい場合や何か質問があるときですが、特に英国人は日本人のように大きな声で「すみません!」と店の人に声をかけることはありません。なんとか気づいてもらおうと目配せをするなど、目で合図をするか、近くを通ったときに静かに「Excuse me」と声をかけます。ですから、注文を全て届けたあとの目配り、気配りが重要です。英国人だけではなく、旅行者全般に言えると思います。店のランクにもよりますが、高級な店だとすぐに気づいてくれることを私たちは期待します。最後は「ありがとうございました」と目を見て言ってもらい、笑顔で送り出してもらえると私たちは満足します。(次回に続く)

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